No Control

20歳になる年にテネシー州に留学した私ですが、留学するまで日本でクルマの免許を取っていませんでした。

東京に住んでいたので地下鉄の移動で事足りていた事、日本での免許取得費用がだいたい20万円くらいかかるので費用捻出ができなかった事、などが主な理由でした。

さて留学生活を始めてすぐに直面した不便さ。それは高い頻度で提出を求められるID、身分証明書を持っていないということです。。

当然、外国人ですからパスポート携帯していれば、という話もありますが、なんせそれを紛失したら日本に帰れなくなってしまいますので、現金より大事なパスポートを常時携帯したくはありませんでした。

友達に相談したら「自動車免許取ればIDになるじゃん」と提案してくれました。

そこで早速、既にこちらで免許を取得した別の日本人の友人からテキストを借りて、アメリカの運転規則の猛勉強。

日本とは真逆の側通行ではあるものの、基本的な交通ルールは同じっぽく、設問の英語さえ理解できればそんなに難しくなさそう。。。

ちなみに私が受けたテネシー州の運転試験は段階で構成されていました。

まずは筆記試験。そして筆記試験に合格したら、実地試験。教官が隣に乗って実際に道路を走り、その実地試験まで受かればその場で免許発行、と大変シンプルな構造。

まず落ちる人はいない、と言われているイージー極まりないものでしたが。。。

試験を受けるまで人生で一度も運転をしたことがなかった私ですが、友達から「オートマだし、ブレーキ離したら進むから適当に運転したら大丈夫じゃね?」っていう超適当なアドバイスに従って無謀にも、全く運転の練習をせずに友達の運転で運転試験会場へ向かいました。

ちなみにこの試験会場、何故か自動車でしか辿り着けない周りになーーんにもない所にありました(クルマ社会のアメリカならではでしょうか。。。)

またテネシー州では17歳から免許が取得できるので、かなりの数の高校生が一人で試験受けている模様。

いや、無免許だよね。。どうやって来たの?という頭に浮かぶ無数のクエスチョンマークを消し去りつつ、筆記試験に臨みました。

結果は、、、合格!! 我ながらすごい!と感動しつつ、インストラクターの引率で実地試験へ。

この実地試験というのが、「ちょっとバカにしてんの?」と思うくらい簡単なドライブテクニックでクリアできる内容でした。

まず駐車場から車を出して目の前の大きな道路を横切ります。

片側一車線ののどかな道をまっすぐ走って最初の角を、まっすぐ進行し最初の角をまた

そうすると元の大きな道路に出るので、ウインカーを出してします。 

左前方に位置している会場の建物の駐車場に左折進入し、クルマをから駐車スペースに停めます

整理しますと  

出発 → 回 → 回 → 前から駐車 

以上。 

実に簡単ですよね!そしてその実地試験を受けた結果は、、、、

不合格!!

はい、実地試験中とんでもなくビクビクしまくり、駐車するまで生きた心地がせず。。。

明らかに「あなた運転するの初めてだよね」感満載の運転だったのでしょう、試験結果の下部にあるRemaks「備考欄」に書かれた手書きの一言

No Control”  

はいまだにショックを思い出すほどです。

PS

農学部キャンパス横の広大な駐車場で坂道発進含めて、マニュアル車の運転猛特訓を受けて後日、実地の再試験に無事合格、晴れて免許獲得しましたとさ。。。